演題名:「デジタル変革時代の小児予防矯正:次世代の健康寿命を見据えた口腔機能の最適化」
抄録:矯正歯科医療は、伝統的な治療技術と最先端のデジタル技術を融合させ、かつてない進化の時を迎えています。本講演では、21世紀に求められる「真の予防医療」の形として、小児予防矯正と口腔機能の発育を支える最新アプローチをご紹介します。
今日、むし歯や歯周病の予防は一定の成果を挙げていますが、現代の小児歯科医療においては、不正咬合や口腔機能発達不全が新たな課題として浮上しています。特に、頭蓋顔面の発育と気道の健全な成長は、子供たちの未来の健康寿命に直結する重要な要素です。この分野では、AIやCT、3Dスキャニングといったデジタル技術が治療計画の精度を劇的に高め、早期の診断と予防的介入を可能にしています。
私が提唱する「オーラルルートセラピー(ORT)」は、口腔機能の不全や不正咬合といった表面的な症状を越えて、その原因にまで遡る「原因療法」を基盤としています。これにより、機能的かつ構造的に最適な成長をサポートし、子供たちが「生涯にわたる健康」を手にするための根本的なサポートを提供します。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が加速する現代、AIやVR、ARといった技術の進展は、単なる治療効率の向上に留まらず、医療の未来そのものを再構築しています。こうした技術は、治療計画の予測精度を高め、パーソナライズされたアプローチを実現します。また、デジタル技術の導入は、患者の治療体験そのものをより良いものにし、子供たちが健やかに成長する未来を見据えた歯科医療の新たな地平を開きます。
本講演では、デジタル技術の力を最大限に活かした口腔機能の最適化を通じ、次世代の矯正歯科医療がどのように子供たちの健康寿命を延ばし、豊かな未来を築く一助となるかを考察します。
主催:公益社団法人日本臨床矯正歯科医会
会場:ウェスティン都ホテル京都 4階 瑞穂の間
〒 605-0052 京都市東山区粟田口華頂町1(三条けあげ)
時間:9:30-11:30